こんにちは。お元気ですか??
皆さんは、ギランバレー症候群(GBS)って聞いたことがありますよね??

ギランバレー症候群って難病の一種って習いましたけど、私たちには、ほとんどなじみがないものじゃないんですか??

確かに罹患人数は少ないけど、決して他人事ですむとは限らないよ。もし放置して治療が遅れると、重症化して障害や死亡することだってある怖い疾患なんだよ。
ギランバレー症候群の契機と発症率
皆さんは、風邪や下痢になったことが、今まで一度はあるのではないでしょうか。
通常なら、その後なんの後遺症もなく元気になりますが、そうでない場合もあります。
ギランバレー症候群は、難病の一種で、自分には無関係と考えている方がほとんどではないでしょうか??
発症者は1~4人/10万人(年間約1400人)ですが、全年齢層で罹患する可能性があり、成人の男性だと発症率が上昇します。
また、3~5%程度は、合併症で死亡している怖い疾患の1つです。
ギランバレー症候群は、医療費対象の難病でないため、医療費は公費対象になりません。
ギランバレー症候群の症状
ギランバレー症候群は、自身の免疫の働きで、自身の末梢神経を攻撃してしまう自己免疫疾患です。
病原体の種類により、末梢神経の髄鞘が剥がれるタイプと、軸索損傷するタイプに区分されます。
感冒や下痢になった後、数日後~2週間後頃(ほとんどが4週間以内)から、両側性の四肢の脱力感や筋力低下、痺れなどがあった場合には、ギランバレー症候群の可能性があります。
下肢の脱力感から、徐々に上肢から全身に症状の拡大する場合が多いですが、四肢で同時に症状が表れたり、痺れや痛みが出現する場合もあります。
なかには、血圧変動や脈拍変動や不整脈なども起こり得ます。
重度の場合には、眼球や顔面神経の麻痺や、嚥下障害、四肢の麻痺や呼吸筋麻痺による呼吸困難などを引き起こす危険性があります。
呼吸筋の麻痺が起こると、一時的に集中治療室で人工呼吸器を装着する必要もあり、生命の危機に瀕するため、早期の発見と治療が重要です。
重い物を持つのがだるい、急に手足に力が入りにくい(脱力感)、手足の痺れ、歩行時につまづく、食べ物を飲み込みづらい、顔の神経が麻痺するなどの前駆症状を見逃さないようにしましょう。
急速に症状が進行するのが特徴ですが、少しでも症状が出たら、早めに神経内科を受診しましょう。
ギランバレー症候群の診断方法
ギランバレー症候群の診断方法は、以下の3通りで行われます。
✅末梢神経伝達検査(末梢神経を刺激して筋肉の反応を精査)
✅腰椎穿刺(脳脊髄液を採取してたんぱく質と細胞の割合を精査)
✅採血検査(自己免疫検査)
特に、採血で調べられるのは、簡便で侵襲も少ないのでありがたい話ですよね。
ギランバレー症候群の治療法
治療法は、以下の3つが代表的です。
✅軽度の症状:ビタミンB12やビタミンE、ステロイドの内服
✅中等度以上の症状:経静脈的免疫グロブリン静脈療法・血漿浄化交換療法
●免疫グロブリン大量静注療法:血液中の成分から精製した免疫グロブリンを大量に静脈注射。
●血漿浄化(交換)療法:血液中にある自己抗体(有害物質)を体外に除去し体内に戻す浄化療法。

約5%の患者が死亡し、発症から1年たっても約20%の患者が充分に歩行ができないなど、難治性のある疾患と言えます。
ギランバレー症候群発症後の経過
急性期には、上記の内服療法や、血漿交換療法、免疫グロブリン療法などを実施します。
その後は、低下した筋力を回復するため、根気強くリハビリを続ける必要があります。
数週間後に症状のピークを迎えた後、半年から1年間かけて回復すると言われています。
攻撃を受けた末梢神経のダメージが大きい場合に重症化しやすく、神経損傷すると回復が遅く、治るまでに時間がかかったり、後遺症が残るとされています。
重症化すると、さらに回復に時間を労したり、障害の残る症例もあるのが現状です。
ギラン・バレー症候群の原因と予防
発症患者の約2/3が、発症前に感冒や食中毒(下痢)などの感染症に罹患するとされています。
感染症がきっかけで、自身の免疫システムに異常が生じ、自身の末梢神経を攻撃してしまうことが発症の原因と考えられています。
また、発症のきっかけとなる食中毒(下痢)は、カンピロバクターによる細菌感染が多いとされ、重症化しやすいそうです。
カンピロバクターは食中毒の一種で、鶏肉から感染しやすいですが、加熱で死滅します。
鶏肉中心部を75度以上で1分以上加熱で、カンピロバクターを死滅できるそうです。
✅鶏肉は充分に加熱後に摂取する
✅含嗽・手洗い・保湿・保温を徹底して風邪を予防する
ギランバレー症候群を防ぐには、予防対策が重要であると言えます。

まとめ

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するAd26.COV2.Sワクチン(Johnson & Johnson社)の接種により、ギラン・バレー症候群(GBS)の発症リスクが、統計学的にわずかながら有意に高くなることが報告されています。
コロナワクチンのどの種類でも、同じ結果なのかが気になるところです。
インフルエンザワクチンの接種やニューキノロン系抗生剤の内服、インターフェロン製剤、抗ウイルス剤や抗がん剤などの使用などで惹起される症例もあります。
重要なことは、風邪や下痢などに注意することももちろんですが、その後に、何か異変を感じたら決して放置しないことです。
ギランバレー症候群がもっと周知されることで、万が一のときに放置せず早期発見や治療にのぞめるように、今回のブログが少しでも情報共有のきっかけになればと考えています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ひろくま(HIROKUMA)
コメント