こんにちは。
皆さんの働いている病院では、患者や家族の質はどうでしょうか??

いつも、患者や家族対応を看護師が対応させられていて不満です。特に、ペイシェント・ハラスメント(ペイハラ)やカスタマーハラスメント(カスハラ)でつらい時があります。

そうだよね。医師や事務、医療連携室などが対応しても良い事例でも、看護師が対応を強要されている病院が多いよね。法的根拠から看護師が行える患者や家族からのペイハラ・モラハラ対策について考察していくね。
🌟この記事から理解できること
✅患者や家族のペイハラ・カスハラに対する、病院やスタッフのあるべき姿勢について
✅患者・家族と病院双方の果たすべき義務と権利について
✅ペイハラやカスハラに対しての対策や取り組みについて
患者や家族の6つのハラスメント
医療者に対する患者や家族のペイハラ・カスハラは、以下の6つが代表例に挙げられます
✅看護師(職員)に対する暴行・傷害
✅看護師(職員)に対する脅迫や侮辱行為・名誉棄損
✅病院に対する患者の執拗かつ過度の要求
✅病院や看護師(職員)に対する患者の度重なる対応要求
✅医療行為に対する執拗かつ過度の批難や責任追及
✅患者への診療上の指示・指導に対する拒否や無視
上記の言動は、現場の看護師にとって非常に時間的・心身の負担になっています。
心身ともに消耗して休職や退職の原因にもなりかねず、悪質な違法行為なのです。
病院は決して放置や容認してはいけません。
過剰な接遇とペイハラとの関連性
最近、モンスターペイシェントやモンスターファミリーなどが取り上げられています。
その多くは、病院側が患者や家族を過剰に厚遇(下手に出る)することが、結果的にモンスター化させているのです。
サービス業でもそうですが、お客や患者に様を付ける必要などありません。
客や患者は神様でもありません。
自分を育ててくれた両親や祖父母にすら様付けしないのに、何の所縁や恩もない相手に対して、なぜわざわざ様付けするのでしょうか??
「様付け」でなくても、「さん付け」で充分想いは伝わります。
接遇もそうですが、スタッフと患者・家族は対等な関係なのに、こちら側(医療者)だけなぜ敬語を使う必要があるのかご教授いただきたいです。
相手に誠意が伝われば良い話です。
「大変申し訳ございません」
「左様でございます」
「おっしゃる通りでございます」
「ご面倒をおかけいたします」
「ごめん下さいませ」など、
必要以上にかしこまった過剰な言葉遣いや対応が、患者や家族の横柄な態度を招いているのです。
病院と患者家族との診療契約
患者・家族との診療契約は、病院(医療者側)が一方的に義務を負う片務契約ではありません。
双務契約なのです!!
病院は患者に対して最善の医療行為を施行する義務があります。
その反面、患者や家族も病院に対して、医療行為や院内ルールに協力し従う義務を生じます。
つまり、患者や家族はじぶん達の権利を主張するだけではなく、病院の施設管理権に従う義務があるのです。
病院の施設管理権
患者は病院との診療契約に基づき、病院で定められたルールに従うことを前提条件として、通院や入院することができるのです。
お店でも、店主と客との契約があり、店内のルールに従えない公序良俗に反する客に対しては、入店拒否させることは違法でなく合法です。
例えば「マスクをつけない患者には入店拒否する」などです。
病院と患者・家族も、契約自由の法則による双方の意思の合致が必要で、双方が同意して初めて診療契約が結ばれます。
患者や家族のペイハラ・カスハラに該当する悪質な事例では、施設管理権限者(事業者)が施設管理権を行使し、診察拒否や強制退院を命じることができます。

患者や家族が従わない場合には不退去罪が成立し、警察を呼び介入できるのです。
ただし、院内ルールを事前説明する必要があります。
入院前に院内ルールについて書面で説明し、威力業務病害に当たるようなペイハラ・カスハラについては、強制退院させると記した書類に承諾書(誓約書)交わせばよいのです。
並行して、院内やホームページでも「患者・家族からの過剰で不当な要求や暴力は許さない」とする旨を告知しておくと効果的です。
一般企業では当たり前にやっています。
病院自体の、クレーム対応に対する事なかれ主義から、掲示や承諾書を取らない消極的姿勢が現状を招いていると言えます。
病院や看護部が患者や家族の過度な要求や心身への暴力に対し、毅然とした対応をとり、現場の看護師の安全配慮義務を果たしていく必要があるのです。
まとめ
患者や家族からのペイハラやカスハラに対し、何でもかんでも「貴重なご意見ありがとうございます」として返答し、なだめて帰ってもらう行為はクレームを助長させるだけです。
当然、状況は悪化しますが、クレームの原因となったスタッフに責任転嫁して責任追及や批難するだけになります。
現場の看護師が、
いくら様付けしようが、
尊敬語を使用しようが、
看護記録やレコーダーなどで、
ペイハラ・カスハラの証拠を残そうが、
まったく解決法になりません。
何かされた後に行動しても、心身のダメージを受けたスタッフは労災もなく、消耗して下手をすれば回復できないかもしれません。
重要なことは、事後対応ではなく事前対応(予防対策)です。
病院側のペイハラ・カスハラは絶対に許さないという組織的な態度や行動が、患者や家族の横柄な態度を抑制し、互いに良い意味で緊張感のある関係になるのです。
そのために、患者・家族対応のマニュアル整備や院内研修、ボーダーラインの線引きを設け、クレーム対応窓口も1本化する必要があります。
日頃からの警察との連携や、顧問弁護士と提携しておくことも重要です。
顧問弁護士費用も、月額料金3~5万程度で提携が可能です。
その程度の費用を、病院の経費でまかなえないはずがありません。
本来、現場の看護師は、専門職として、自らの職務を全うすれば良いのです。

皆さんが働いている病院で、クレーム対応に病院や管理職の理解が得られる病院であれば、社風を良くできる可能性はあります。
💎患者や家族に毅然と対応するための患者対応マニュアルの整備
💎患者や家族の権利と守るべき義務を書面での同意書やHP・院内に掲示
💎接遇・法律関連の研修の整備
💎クレーム対応窓口の設立や顧問弁護士による対策強化
💎警察や近隣病院との連携強化と情報共有
上記の対策を積極的に導入できるように訴えかけていきましょう。
ただただ消耗させられ続けている職場なら、最終的に違うホワイトな病院に転職を検討するのもありでしょう。
そのような病院や看護部の変化を待つより、わたし達が転職した方が早いし確実です。
この記事が、看護師の患者・家族からのハラスメント問題の対策や対処法に役立てば光栄です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ひろくま(HIROKUMA)
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