手術前の経口避妊薬・月経困難症治療薬の休薬の必要性とピルの効能について

看護役立ち情報

皆さん、こんにちは。

未婚でカップルの方々では、女性で経口避妊薬を内服している女性は多いのではないでしょうか??

また、月経困難症のため、月経困難治療薬を内服する女性もいるでしょう。

経口避妊薬や月経困難治療薬が手術前に休薬することを知っていますか?

もも
もも

手術前は、抗血栓薬や血管拡張薬、血糖降下薬、一部の骨粗鬆症薬などが休薬になるのは知ってましたが、経口避妊薬や月経困難治療薬も休薬しないといけないんですか??

さやか
さやか

そうなんです。麻酔科医や薬剤師では一般的な知識ですが、まだまだ看護師や外科医には充分に認知されていないのが現状です。

術前の経口避妊薬・月経困難治療薬の休薬

経口避妊薬や月経困難治療薬は女性ホルモン(エストロゲン)の働きにより血液凝固能が亢進され心血管系の副作用の危険系が高くなるとされます

また、手術後臥床時に安静にしていることで、血栓形成されやすい状態になります。

上記の薬剤を内服しているとさらに血栓形成のリスクが高まります

DVT(深部静脈血栓症)だけでなくPE(肺塞栓症)を引き起こすと死亡の危険性もあります

そのため、手術前にはエストロゲン製剤は休薬する必要があります。

術前の経口避妊薬の休薬期間

経口避妊薬(OC)や月経困難治療薬(LEP)の添付文書にて手術前4週間以内術後2週間以内産後4週間以内および、期間安静状態やベッド上安静の患者には基本的に禁止となっています

実際に、術前に経口避妊薬を内服していることが発覚して、手術延期になった症例も複数件あります。

代表的な薬剤は、アンジュ、トリキュラー、ラベルフィーユ、ジェミーナ、オーソ、マーベロン、ヤーズ、フリウェル、ルナベルなどの薬剤が挙げられます。

たくさんありすぎて覚えられませんね💦💦

他にも、ジェネリック薬品が出てきているので、その都度確認することが必要です。

手術前の月経と経口避妊薬の内服

予定手術に月経が重なりそうな場合は、事前に手術の前月に月経を調整します。

病院により基準が異なりますが、月経が重なりそうな場合は、手術前月に中用量ピルを7~10日間内服して月経日を調整することが多いです。

服用終了後3~5日で月経が始まり、月経周期の調整を行います。

術前の看護師の役割

術前、通常では、薬剤師や麻酔科医・主治医などが、術前訪問や術前ICで経口避妊薬や月経困難治療薬の服用有無について聴取すると思われます。

ただ、主治医や麻酔科医が確認忘れする場合や休薬の必要性の知識欠如している可能性もあります

患者側も羞恥心やプライバシー的な理由から隠す場合もあります

特に未成年や学生の場合には、羞恥心も強く、家族に避妊しているような行為を知られたくない気持ちから、隠ぺいする可能性があります。

術前の担当看護師は、DVTやPEなどのリスクを踏まえ、内服有無について確認することが望ましいでしょう。

ただ、男性のわたしにはちょっと厳しいです、、、

変態な男性看護師がいるとクレームがきても困るので💦💦💦

女性看護師にやんわりと聴取してもらおうと思います(笑)。

ただ、術前ICや入院後のアナムネで聴取するのはすでに遅いです。

手術であれば、休薬期間は4週間前(手術28日前)が前提なので、本来主治医が外来で早期にOCやLEPの休薬についてICする必要があります

まだまだ外科医などでも、休薬の必要性について認識が薄いと考えられます。

経口避妊薬(ピル)の効果と高リスク患者

ピルは、避妊目的だけでなく、月経周期を調整したり、月経前症候群月経痛の緩和ニキビの緩和美肌効果悪性腫瘍の予防貧血の改善などの効果があります

皆さんも知っていましたか??

わたしも上記の効能を知ったときは、非常にびっくりしました。

以前はホルモン量が多く含まれる中用量ピルでしたが最近はホルモン量が少なく身体に及ぼす影響が少ない低用量ピルが一般的に使用されています

ただし、以下の方はピルを内服することで重篤な副作用の起こるリスクが高いとされています。

事前に医師に相談することが推奨されます。

喫煙者
✅重度の高血圧

糖尿病・肝疾患・腎疾患・てんかん・片頭痛の既往
✅家族に乳がんや血栓症の既往
✅肥満(BMI30以上)
✅40歳以上(喫煙者は35歳以上)

余談ですが、患者がピルの内服で家族に隠したい事情がある場合には、ニキビの緩和や月経関連の目的で内服していると、服用工作をアドバイスするのもありかもしれませんね。

40歳以上のピル内服と黄体ホルモン剤の代用

ピルは40歳過ぎから年齢とともに血栓症のリスクが上がります

ピル内服上のガイドラインでも、40歳以降のピル服用は慎重投与に分類され、閉経の有無にかかわらず、50歳以降はピル使用ができないようです

そんな方でも、卵胞ホルモン(エストロゲン)を含まない、黄体ホルモン単体のホルモン剤(ディナゲスト)が使用できるケースもあるようです。

まとめ

海外などと比較し、まだまだ日本ではピルの使用は限定的で避妊以外の目的で内服している方は少数です。

ピルの使用目的の多様性について、もっと情報が拡散して認知度が上がり、経口避妊薬についての服用歴もオープンにやり取りできる時代が来るとよいなと感じています。

ピル外来などもあるので、興味のある方はぜひ検索や受診してみてください。

ちなみに余談ですが、ピルによる避妊効果は内服開始後7日目からです

それまでの間は、避妊効果は期待できないのでご注意ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

                         ひろくま(HIROKUMA)

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