最近、腰痛があるときに、どこの整形外科病院に受診したらよいか迷ったりしてませんか??

整形外科で特に脊椎疾患に強みのある病院で10年以上勤務してきました。今まで脊椎医10数名・脊椎認定医数名と一緒に勤務してきた経験を活かして、今回は腰痛のある場合に、安心安全に受診できる脊椎病院の特徴を解説します。
私の同僚でも、患者の保清や移乗動作でぎっくり腰になったり、前かがみの姿勢や腰をかばった動作などでくびを痛めたりしてます。
予防的に軟性コルセットを装着したり、なかには薬物療法(投薬・神経ブロック)や整体に通っているスタッフも見かけます。
頚部・腰痛や痺れで辛いときに、受診したい安全安心な脊椎病院の特徴とは何でしょうか。
実際にその特徴を挙げていきます。
受診したい病院の7つの特徴
①日本整形外科学会認定医の資格を持っている
脊椎脊髄外科は、整形外科の分野でも、高度な技術と専門性を要求される分野です。
整形外科学会認定専門医の資格だけでなく、脊髄外科学会認定医の資格を有することが望ましいです。
看護師でも、認定・専門・特定看護師の方が、専門性や知識が豊富で信頼性が高いことと同じです。
脊椎医でも画像上診断できない症例でも、認定医なら診断できる症例が結構あります。
医師紹介の欄で、資格欄で簡単にチェックすることができます。
②口コミや近隣の病院・クリニックでの評判が良い
受診する病院の口コミを確認すると、医師の人柄、コメディカルの評判が分かります。
その一方、口コミに関しては業者を雇ったり、内部で自作自演する例もあるので注意が必要です。
その点、近隣の病院やクリニックの評判は、医師や患者同士で情報が出回るので、系列病院や同じ大学出身以外の情報源であれば、かなり信ぴょう性が高いです。
他科でも構いません。ぜひ参考にしてみて下さい。
③レントゲンだけでなくCTの施設がある
本来は、医師が病名を診断後に、薬物療法(投薬・神経ブロック)や物理療法、理学療法などを開始することが望ましいです。
経験豊富な脊椎医でも、レントゲンだけで診断するのは困難で、CTによる評価が必要になります。
欲を言えば、MRIのある病院の方がより正確に診断することができます。
最低限CTの設備がある病院であれば、その場で診断できるので治療方針も立てやすいです。
もちろん、CTは多額のランニングコストがかかります。
メディカルスキャニングのように、外部の画像検査・診断専門クリニックに依頼して診断するのもありだと思います。
ただ、その場合には外部で画像検査を受ける必要があるため、診断に複数回の受診が必要となります。
いずれにしても、レントゲンだけで診断する病院はお勧めしません。
④画像診断だけでなく触診して診察する
腰痛や頚部痛は、脊椎疾患だけでなく筋肉の硬直や緊張などによって起こる症例もあり、患者を触診せずに、画像診断だけで診断する医師は一流ではないと思います。
看護師のフィジカルアセスメントや聴診せずに、自覚症状や検査データだけで、判断してしまうことと同様です。
時折、腰痛で受診しても、患者に触れたり、ろくに症状を聞かずに、画像だけで診察・診断するような医師も実際にいます。
必ず、実際に痛むところを触れた上で、治療方針を決定する医師をお勧めします。
⑤痛みのメカニズムに応じて適切な治療薬を処方している
神経障害性疼痛には、NSAIDS(ロキソニン・セレコックス)は効かない症例がほとんどです。
NSIADSの鎮痛効果がない程度で、手術を勧めるような医師も存在します。
また、鎮痛剤も様々なタイプの薬剤がありますが、定型の薬剤以外使用したことがなく、知識の乏しい医師もいるのが現状です。
痛みのメカニズムに応じ、治療薬を処方や調整できるような医師だと、適切な治療を受けられる可能性が高いです。
⑥ホームページで治療方針がしっかりと明記されている
ホームページはその病院の説明書で顔です。
ホームページできちんと具体的にどのような疼痛や神経症状のコントロールを図るのか、
治療方針はどのように行うのかを記載されている施設をお勧めします。
例えば、
「患者に真摯に取り組む」
「痛みに対してしっかりと治療」
「経験豊富な理学療法士によるきめ細かいリハビリテーション治療」などの文言は当たり前の話です。
全く何をするのかイメージできませんよね。
少なくともわたしには想像できません。
すぐれた治療を行える病院は、
🔵具体的にどのような治療をするか、
🔵薬物療法、神経ブロック療法、運動療法や物理療法、
🔵治療機器の紹介、
🔵理学療法士の運動療法についての記載やコメントなどがしっかりされています。
私の経験上でも、すぐれた治療を行っている病院やクリニックは、医師だけでなく、
他職種の働きぶりや病院のイメージが非常に伝わりやすいように、丁寧に記載されています。
⑦医師との相性が合う
当たり前のことですが、どんなにすぐれた知識や技術を持つ医師でも、患者の話を聞かずに一方的に治療方針を説明や決定する医師がいます。
全て医師にお任せしたいという方は、それでも良いと思います。
ただ、現在は患者自身が意思決定し、患者が治療を受け身でなく自らも行う、患者参画型の治療方針が求められています。
医師が複数の治療方針を患者に提示し、患者自身が選択できるような病院やクリニックを強くお勧めします。

まとめ
受診しても良い7つの特徴全てを満たすような、病院を探すのは、なかなか難しいと思います。
ただ、7つの特徴を多く満たすほど、安全で安心できる病院を見つけられる可能性は高くなります。
また、どのような視点で病院選択をしたらよいかの基準はお分かりいただけたと思います。
この記事が、腰痛のある場合に、安心安全に受診できる病院選びの参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ひろくま(HIROKUMA)
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